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外出先でスマホの充電が切れそうなとき、カバンの中のモバイルバッテリーに頼っている方は多いと思います。
でも、そのモバイルバッテリー、選ぶときに何を見て買いましたか。「安かったから」「デザインが好みだったから」という方、実は少なくないはずです。
私自身、最近モバイルバッテリーを買い替えました。今回選んだのは「半固体電池(準固体電池)」というタイプのもので、実際に使っていて満足しています。ただ、この記事の主役はその商品そのものではありません。
この記事で伝えたいのは、
- モバイルバッテリーはなぜ「発火する家電」として注意が必要なのか
- 50代が安心して選ぶための3つのチェックポイント
- 話題の「半固体電池」は本当に発火しにくいのか(誠実に)
- 古いバッテリーの正しい捨て方
です。公式機関の統計と一次情報をもとに、誠実にまとめました。
モバイルバッテリーは「リチウムイオン電池製品で事故が最も多い」
意外に知られていませんが、モバイルバッテリーは製品評価技術基盤機構(NITE)が注意を呼びかけている事故多発製品です。
NITEの発表によると、2021年から2025年の5年間で報告されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は2,140件。この母集団の中で、製品別に見るとモバイルバッテリーが最多でした(「家電全体で最多」という統計ではありません)。しかも事故は気温の上昇とともに増え、8月がピークになっています(NITEプレスリリース 2026-07-15 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2026fy/prs260715.html 、取得日2026-08-23)。
炎天下の車内に置きっぱなしにしたり、カバンの中で他の荷物と一緒に圧迫されたり――夏場の何気ない扱いが、事故のきっかけになりやすいということです。
「安いから」「見た目がいいから」で選んで、もし発火したら。そう考えると、選び方の基準を一度きちんと持っておく価値はあると思います。
50代が選ぶときの安全基準「3つのC」
NITEは事故予防のポイントとして「3つのC」を挙げています。この記事も、この3つを柱に整理します。
1. 賢く選ぶ(購入前に確認する)
- 丸形のPSEマークがあるか:スマホ用として一般に売られているモバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、2019年2月1日以降、事業者はPSEマークのない対象製品を販売できません。マークの形は丸形(ひし形ではありません)です。パッケージや本体を、買う前に確認してください。
- 販売事業者の連絡先が分かるか:会社名・連絡先が明記されているか、製品情報やリコール情報が確認できるかを見ます。連絡先が分からない格安品は避けるのが無難です。
- 容量表示(mAh・Wh)が明記されているか:容量が書かれていない製品は、そもそも安全基準を満たしているかの確認がしづらくなります。
PSEマークについては、2つだけ補足させてください。
ひとつは、規制の対象がすべてのモバイルバッテリーではないということです。対象は「内蔵する単電池1個あたりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のリチウムイオン蓄電池」に限られます。ナトリウムイオン電池式や乾電池式のもの、400Wh/L未満のものは対象外で、マークが付いていなくても違法ではありません。「マークが無い=粗悪品」と決めつけず、まず対象の製品かどうかを見てください(経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」 https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html /消費者庁 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20251219/ 、いずれも取得日2026-08-24)。
もうひとつは、マークがあれば絶対に安全、という意味ではないということです。丸形PSEは事業者が自ら基準適合を確認して表示する仕組みです。NITEは、マークを偽って表示した粗悪品が流通していることから、マークの有無だけでなく「マークの近くに事業者名が書かれているか」もあわせて見るよう呼びかけています(NITE注意喚起の報道 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2501/08/news174.html 、取得日2026-08-24)。
2. 丁寧に使う(使うときに気をつける)
- 高温になる場所(車内の直射日光下、こたつの中など)での使用・放置を避ける
- 落としたり踏んだりする強い衝撃・圧力を加えない
- 膨らみ・異臭・異常な発熱を感じたら、すぐ使用を中止する
飛行機のモバイルバッテリーのルールは、2026年に入ってさらに厳しくなりました。ICAO(国際民間航空機関)の国際基準改訂を受け、日本の航空会社(国内線・国際線とも)でも2026年4月24日から新しいルールが適用されています(国土交通省 報道発表「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」令和8年4月14日発表・別紙1 https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000310.html 、取得日2026-08-23)。
- 機内への持ち込みは1人2個まで(1個160Wh以下に限る)
- 機内でモバイルバッテリーへ充電しないこと(機内の電源を使ってモバイルバッテリー本体を充電するのは不可)
- モバイルバッテリーから他の電子機器への充電も行わないルールです(スマホなどの充電は、機内備え付けの電源を使ってください)
- 預け入れ荷物には入れられません。持ち込めなかったバッテリーは、宅配便などの貨物としても航空輸送できない場合があります。運送事業者に申告して指示に従ってください
さらに従来から続くルールとして、座席上の収納棚など目の届かない場所には保管せず、自席のポケットなど手元に置くこと、端子部分は絶縁テープなどでショート防止をしておくことも求められています。利用する航空会社によっては、これより厳しいルールを設けている場合があります。出発前に利用する航空会社の案内を確認してください。
なお容量の目安(Wh)は「mAh × 定格電圧(V) ÷ 1,000」で計算します。今回紹介する5,000mAhのバッテリーは、リチウムイオン電池の一般的な公称電圧3.7Vで換算すると約18.5Wh程度が目安です(商品ページに定格電圧の記載がないための概算。商品ページで正確な値をご確認ください)。またJALの案内には、IATA(国際航空運送協会)の規定変更により2027年1月以降さらに容量制限が厳しくなる可能性がある旨の記載もあります(JAL https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2026/other/260330/ 、2026年4月14日、取得日2026-08-23)。旅行や出張でスマホを充電しながら過ごす方は、この点も覚えておいてください。
3. 正しく捨てる(使い終わったら)
古いモバイルバッテリーをそのまま燃えるゴミに出すのは危険です。リチウムイオン電池はゴミ収集車の中で潰れると発火することがあります。
- 家電量販店・ホームセンターなどの「JBRC」回収協力店にある黄色いリサイクルBOXへ(一般社団法人JBRC https://www.jbrc.com/general/recycle_flow/ 、取得日2026-08-23)。持ち込む前に、端子部分をセロハンテープなどで絶縁しておくと安心です。
- ただしJBRCが回収するのはJBRC会員企業が製造・販売した電池のみです。ノーブランドの格安モバイルバッテリーなどは対象外になることがあるため、その場合は購入店・メーカー、またはお住まいの自治体に相談してください。
- 膨張・破損・水濡れした電池はJBRCの回収BOX対象外です(JBRCの案内による、取得日2026-08-23)。無理に持ち込まず、自治体の案内に従ってください。
- 自治体の小型家電回収ボックスでも対象になっていることが多いです。お住まいの自治体のごみ分別ルールを確認してください(自治体によって扱いが異なります)。

「半固体電池(準固体電池)」は発火しにくいって本当?
最近、家電量販店や通販サイトで「半固体電池」「準固体電池」と書かれたモバイルバッテリーを見かけるようになりました。私が今使っているものも、このタイプです。
半固体電池とは、電池内部の電解質を、これまでの液体でも完全な固体でもない「ゲル状」に近い状態にした電池のことです。電解質を高分子のゲルに含ませて流動性を下げることで、液漏れや発火を抑えることを狙った構造とされています(メーカー各社の公表・技術解説記事による。MONOist「半固体と全固体、何が違う? 固体電池を材料構成から整理する」 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2208/01/news020.html 、取得日2026-08-23)。
ただし、「半固体」「準固体」という表示に、業界で統一された定義があるわけではありません。呼び方や分類が定まっていないのが現状で、同じ表示でも液体成分をどれだけ含むかは製品によって違います(前掲のMONOist記事による、取得日2026-08-28)。
ここは誠実にお伝えしたいのですが、半固体電池は「絶対に発火しない」わけではありません。 「全固体電池」という、液体成分をほぼゼロにしたさらに進んだ技術とは別物です。半固体電池はあくまで「発火しにくい構造とされている」電池であり、メーカーが公表している特長です。過信せず、前の章で挙げた「3つのC」(賢く選ぶ・丁寧に使う・正しく捨てる)は、半固体電池を使う場合でも同じように守ってください。
実際に使っているもの(PR)
私が実際に購入して使っているのは、アジェンスターの半固体電池モバイルバッテリー「AGS-MB05KJK」です。容量5,000mAh、USB PD対応の急速充電に対応しています(詳細なW数は商品ページ内でも表記に揺れがあるため、正確な数値は購入時に商品ページでご確認ください)。Qi2・MagSafe対応のワイヤレス充電は最大15Wで、商品ページではiPhoneに加えてApple Watch・AirPodsのワイヤレス充電にも対応するとされています。サイズは6.6×10.4×1.0cm、重さ120g。PSEマーク(丸形)の表示がある製品です(楽天商品ページ https://item.rakuten.co.jp/agen-star/ags-mb05kjk/ 、取得日2026-08-23、価格5,960円・税込=リンク作成時点(2026-08-23)の表示価格 ※価格は変動します。購入時に商品ページでご確認ください)。
使っているのはiPhone 16で、充電はケーブルをつながずMagSafeで吸着させるワイヤレス充電が中心です。本体のストラップは、実は商品ページの仕様上Type-Cの充電ケーブルを兼ねる設計です(本体埋め込み式のケーブルではありません)。私は普段MagSafeで吸着させて充電するので、ケーブルとして使う場面はほとんどなく、「かさばるケーブルを別に持ち歩かなくていい」というのが率直な実感です。ワイヤレス充電は機器との相性や位置合わせによってうまく反応しないことがある点は、あらかじめ知っておくとよいと思います。
購入の決め手は、①薄さ(1.0cm)でカバンやポケットに入れてもかさばらないこと、②MagSafe対応でワイヤレス充電が使えること、③Apple Watchも同じバッテリーで充電できることの3点でした。私のApple Watchでは実際に充電できました。ただし購入者レビューには「反応しない」という声もあり、機種や条件によって差があるようです。
実際に購入して使っていて、買ってよかったと感じています。ただし、この記事で一番お伝えしたいのは「この商品を買えば安心」ということではなく、この章の前にある「3つのC」の基準を満たしているかどうかで選んでほしいということです。半固体電池でなくても、PSEマークと販売事業者を確認し、丁寧に使い、正しく捨てる——この基本を守ることが、事故のリスクを下げるいちばん確実な方法です。
※以下は楽天市場のアフィリエイトリンクです。
楽天市場でアジェンスターの半固体電池モバイルバッテリー「AGS-MB05KJK」の商品ページを見る(PR)
向いていない人:すでにPSEマーク付きの信頼できるモバイルバッテリーを問題なく使えている方は、無理に買い替える必要はありません。
まとめ
- モバイルバッテリーはリチウムイオン電池製品のなかで事故が最も多い。8月は特に注意
- 選ぶときは「PSEマーク(丸形)・販売事業者の明記・容量表示」の3点を確認。マークは近くに事業者名が書かれているかもセットで見る
- 使うときは高温・衝撃を避け、異常を感じたらすぐ使用中止。機内では充電しない・収納棚に隠さない(2026年4月24日〜)
- 使い終わったらJBRCの回収BOXか自治体の小型家電回収へ
- 「半固体電池」は発火しにくい構造とされているが、絶対に発火しないわけではない
今日の1アクションとして、今カバンに入っているモバイルバッテリーに丸形のPSEマークと事業者名があるか、一度確認してみてください(ナトリウムイオン電池式など、そもそも対象外でマークが付かない製品もあります)。
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