「先月より高い」に、ため息が出ていませんか
「今月の電気代、また上がっている気がする」
「乗り換えたほうがいいのかな。でも、よく分からないから怖い」
電気代の請求を見て、こうした気持ちになる方は多いようです。実際、電気の契約に関する相談は、2024年度以降も四半期あたり447〜699件が公的な窓口に寄せられ続けています(後述の出典より)。
そこで多くの方が考えるのが「電力会社の乗り換え」です。ただ、急いで乗り換えることが、いつも正解とは限りません。国の資料には、乗り換えたあとで「前のほうが安かった」と気づき、元のプランに戻れなくなった実例がはっきり書かれています。
この記事では、契約を変える前に、スマホで15分あればできる「見直し前チェック」をご案内します。
- 今の契約を確かめるのに必要な情報は何か(そしてどこに書いてあるか)
- 国の公的な資料が実際に注意を促している「落とし穴」
- 「倒産したら停電するの?」といった不安への、公的な答え
⚠️ この記事は、特定の電力会社やプランをおすすめするものではありません。また、見直しをすれば必ず安くなる、というご案内でもありません。ご自身の使い方によっては、今の契約のほうが安いこともあります。
その前に:国の値引きは「申請なし」で始まっています
乗り換えの話に入る前に、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
いま、国による電気・ガス料金の負担軽減の支援が行われています。ここで大事なのは、私たち利用者の側で申請する手続きはないということです。
公式サイトには、こう明記されています。
電気・ガスを利用する立場の方の申請は不要です。本制度を利用している事業者が皆さまの毎月の料金から使用量に応じて値引きを行います。
(電気・ガス料金支援 公式サイト/取得日2026年8月7日)
※ 公式サイトでは、この説明は「一般家庭および年間契約量1,000万㎥未満の企業等」を対象として書かれています(一般のご家庭は対象に含まれます)。
対象となるのは 2026年7月使用分から9月使用分まで。値引きの単価は、電気(低圧=一般のご家庭)で7月・9月が1kWhあたり3.5円、8月は1kWhあたり4.5円と、月によって差があります(都市ガスは7月・9月が1㎥あたり14.0円、8月が18.0円)。
🔴 注意していただきたいのは、「申請が必要です」と連絡してくる相手です。 公式が申請不要と明記している以上、申請手続きを求めてくる電話やメールには応じる必要がありません。
そして、この値引きは9月使用分までと期限が決まっています。10月以降の請求額は、この値引きがなくなるぶん変わる可能性があります。「見直しをするなら、そこも見込んでおく」くらいの気持ちでいると安心です。
※ この値引きは2026年9月使用分までの制度です。10月以降にお読みの方は、公式サイトで最新の状況をご確認ください。
スマホで15分。見直し前に確かめる3つのこと
ここからが本題です。特別なアプリは要りません。手元にスマホがあれば大丈夫です(検針票(けんしんひょう)が手元にあれば、さらにスムーズです)。
1. 「今の契約」を確かめる(必要な情報は4つ)
乗り換えを考えるとき、まず必要になるのが今の契約の情報です。国の資料には、手続きに必要なものが具体的に書かれています。
①氏名、②住所、③現在契約中の小売電気事業者が発行している契約者番号、④供給地点特定番号を御準備いただくと円滑に手続が可能です(③、④は、小売電気事業者から送付された契約書面、振込通知、検針票等に記載されております)
(電力・ガス取引監視等委員会/2021年1月29日公表の注意喚起より/取得日2026年8月9日)
「供給地点特定番号(きょうきゅうちてんとくていばんごう)」という耳慣れない言葉が出てきますが、これはそのお住まいに割り当てられた番号のことです。自分で用意したり、申し込んだりするものではなく、契約書面・振込通知・検針票のどれかに、すでに書かれています。
📱 ここがスマホの出番です。 検針票を見つけたら、その場でスマホのカメラで撮っておきましょう。紙をなくしても手元に残りますし、あとから番号を確認するたびに探し回らずに済みます。
📱 紙の検針票が見当たらない場合も、あきらめないでください。 契約している電力会社のWeb会員サイトやアプリでも、契約者番号・供給地点特定番号を確認できることがほとんどです。表示の場所や名称は会社によって違うので、見つからないときは会員ページ内の「ご契約内容」「契約情報」といった項目を探してみてください。
⚠️ ただし、検針票の写真や画面の扱いには気をつけてください。国民生活センターも「検針票の記載情報は慎重に取り扱いましょう」と注意しています。SNSに上げたり、勧誘してきた相手に安易に見せたりしないようにしましょう。
2. 契約する前に確認すべき9項目に目を通す
資源エネルギー庁は、契約前に確認すべきことを9つの項目として挙げています。乗り換え先を検討するときは、この9つに答えられるかどうかを確かめてみてください。

この9項目のうち、特に見落としやすいのが8番目と9番目(途中で解約するときの制約と、解約手数料)です。このあとの「4つの落とし穴」で詳しくお伝えします。
📱 この図解はスマホに保存しておくと便利です。 乗り換え先の説明を聞くときに、その場で見返せます。
なお、契約のときに重要事項を書面で渡して説明することは、事業者側の法律上の義務です。
電気・ガスの小売業者には、契約を結ぶ際に原則「料金をはじめ重要な事項を書面で渡して説明すること」が法律で義務づけられています。
(資源エネルギー庁/2017年12月12日公開のページより/取得日2026年8月9日)
つまり、書面や説明を渋る相手、その場で契約を急かす相手とは、いったん距離を置いてよいということです。
3. 申し込み先は「新しい会社」だけでいい
「今の電力会社に解約の電話をするのが気が重い」という声はよく聞きます。ここは安心してください。
電力契約を切り替えるためには、新しく契約をしたい小売電気事業者に電話やインターネットで申込みをすればよく、現在契約中の小売電気事業者に連絡をすることは必須ではありません。
(電力・ガス取引監視等委員会/2021年1月29日公表の注意喚起より/取得日2026年8月9日)
引き止められるのが嫌で先延ばしにしていた方にとっては、今の会社に電話しなくてよいというのは、気持ちの面で大きいのではないでしょうか。
見直しでつまずく「4つの落とし穴」
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。公的な資料に、相談事例や公的な注意喚起に記録されているものだけを挙げます。
落とし穴1:元のプランには、戻れないことがある
いちばん重いのがこれです。資源エネルギー庁のページに、次の事例が載っています。
「インターネットと電気のセット割がある」と勧誘されて契約したが、夜間に多く電気を利用する我が家の場合、以前の契約の方が安かったことが判明。そこで元の電力会社に戻したところ、以前のプランへの再加入はできず、結果的に月額 1,000 円ほど高い料金を払っている。
(資源エネルギー庁/2017年12月12日公開のページより/取得日2026年8月9日)
「合わなかったら戻せばいい」が通じない、という事例です。元の会社に戻れても、以前と同じプランに入り直せるとは限りません。
同じページには、こうも書かれています。
契約内容を十分に確認していないと、たとえばオール電化の場合など、思っていたほどメリットがなかった、逆に割高になったというケースもあります。契約解除で違約金が発生することも。
オール電化のご家庭や、夜間に電気を多く使うご家庭は、特に慎重に。今のプランが夜間の安さで成り立っている場合、乗り換えでその前提が崩れることがあります。
また、「セット割」で選ぶときも同じです。割引が外れたときに総額がどうなるかまで見ておくと安心です。
落とし穴2:「市場連動型」と書いていなくても、影響を受けることがある
電気料金のプランには、市場での電気の取引価格に応じて料金が変わる「市場連動型」と呼ばれるものがあります。
ここで知っておいていただきたいのが、プラン名に「市場連動型」と書かれていなくても、同じ影響を受ける場合があるということです。国の注意喚起に、はっきり書かれています。
なお、「市場連動型」と記載されていない場合でも、「調整費」等の項目で、市場からの電力の調達費用が料金に反映されるプランもありますので、分かりにくい場合には、契約中の小売電気事業者にお問合せください。
(電力・ガス取引監視等委員会/2021年1月29日公表の注意喚起より/取得日2026年8月9日)
つまり、プラン名だけで判断できないということです。料金の内訳に「調整費」のような項目があって意味が分からないときは、遠慮なく事業者に聞いてよい、と国が言ってくれています。
⚠️ なお、この点に関して、公的な窓口に記録されている高額請求の相談事例があります。
自営業であり、2カ月程前に従前の電力会社の電気料金が高額になったことがきっかけで、複数社から相見積もりを取り、市場連動型の電力会社に契約変更した。ところが月に3万円程度だった電気料金が突然20万円の請求になり驚いた。
(国民生活センター/2021年8月13日公表/取得日2026年8月9日)
この事例の受け止め方には、注意が必要です。 これは自営業(事業用)の方の事例であり、かつ2021年に電力市場の価格が高騰した局面でのものです。一般のご家庭で同じ金額になる、という話ではありません。
お伝えしたいのは金額の大きさではなく、「価格が変動する」と説明されていても、その振れ幅が想像よりずっと大きくなることがある、という点です。
落とし穴3:解約時の違約金
契約を切り替えるときに、前の契約に違約金が発生することがあります。国の相談事例には、こうあります。
高齢の親族が、解除時に違約金が発生する契約条件を認識しないまま、電話勧誘を受けて別会社に契約を切替したら、前の契約会社から違約金を請求された
(経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和8年6月版)」令和8年6月5日/取得日2026年8月8日)
離れて暮らすご両親にも、ぜひ伝えておきたい事例です。同じ資料には、こうも書かれています。
勧誘を受けた際は、現在の契約会社への違約金発生などのデメリットを含めて、説明内容に不明点や疑問点があれば丁寧な説明を求め、契約内容を十分に理解することが重要です。
落とし穴4:「大手に申し込んだはず」が違った
もうひとつ、同じ資料から。
大学進学で1人暮らしを始めた息子から、大手電力に申し込んだはずが別会社から請求書が届いたと相談を受けた
会社名を名乗られただけで信用しない、ということです。勧誘を受けたその場で決めず、いったん電話を切って、公式サイトに載っている番号にかけ直すのが確実です。
「契約先がやめてしまったら停電するの?」への、公的な答え
新しい会社への乗り換えをためらう理由として、「聞いたことのない会社で大丈夫だろうか」という不安があります。これには、公的な答えがあります。
契約している電力会社が事業撤退する場合等でもすぐには電気は止まりませんが、お早めに電力会社の切り替え手続きを行ってください
(国民生活センター/2021年8月13日公表/取得日2026年8月9日)
契約先が事業をやめても、その瞬間に家の電気が消えるわけではありません。 ただし「すぐには止まらない」であって「ずっと大丈夫」ではないので、そうなったら早めに切り替え手続きを、ということです。
また、契約してしまったあとでも、打つ手が残っている場合があります。
契約を変更してしまってもクーリング・オフ等ができる場合があります
(国民生活センター/2021年8月13日公表/取得日2026年8月9日)
「できる場合があります」という書き方のとおり、いつでも必ず解約できるという意味ではありません。当てはまるかどうかは、次の窓口で確認してください。
困ったとき・迷ったときの相談先
判断に迷ったら、契約する前に相談してかまいません。国が公式に案内している窓口は次の2つです。
| 相談したいこと | 窓口 |
|—|—|
| 勧誘・契約のトラブル | 消費者ホットライン 188(局番なし) |
| 電気・ガスの契約に関する制度 | 電力・ガス取引監視等委員会 03-3501-5725 |
困ったときは、一人で悩まずに、「消費者ホットライン」(局番なし188(いやや!))にご相談ください。
(前掲「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和8年6月版)」より/取得日2026年8月8日)
電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口の受付時間は、9時30分〜18時15分と案内されています(土日祝日、年末年始12月29日〜1月3日を除く)。
(電力・ガス取引監視等委員会 相談窓口ページ/取得日2026年8月16日)
なお、電気の契約に関する相談は、2024年度以降も四半期あたり447〜699件で推移しています(前掲「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和8年6月版)」より)。戸惑っているのは、あなただけではありません。
まとめ:焦って乗り換えないことも、立派な節約です
1. 国の値引きは申請不要。 「申請が必要」と言ってくる相手には応じない(2026年9月使用分まで)
2. 契約を変える前に、検針票をスマホで撮っておく。 必要な情報(契約者番号・供給地点特定番号)はそこに書かれている(紙がなければ契約先のWeb会員サイト/アプリで確認)
3. いちばん重い落とし穴は「元のプランに戻れないことがある」。 特にオール電化・夜間に電気を多く使うご家庭・セット割は慎重に
電気代の見直しは、急いでやるほど失敗しやすい種類の手続きです。国の資料に載っている失敗例の多くが「よく確認しないまま契約した」ものであることが、それを物語っています。
今日の1アクション
まずは 「検針票を探して、スマホのカメラで撮っておく」 ことから始めてみましょう。紙の検針票が見当たらない場合は、契約している電力会社のWeb会員サイトやアプリで契約者番号・供給地点特定番号を確認すれば大丈夫です。
これだけで、いざ比べようと思ったときの手間がぐっと減ります。そして撮った写真や確認した番号は、共有アルバムやSNSに入れないようにしてください。
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【AI利用について】本記事は、構成案の作成・本文の下書き・整合性の検証にAIを活用していますが、掲載内容は執筆者本人が確認し、責任を持って公開しています。
出典
- 電気・ガス料金支援 公式サイト(取得日2026年8月7日) https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/
- 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会/消費者庁/国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和8年6月版)」令和8年6月5日(取得日2026年8月8日) https://www.egc.meti.go.jp/info/liberalization/pdf/20260605.pdf
- 電力・ガス取引監視等委員会「『市場連動型』の電力料金プランを契約されている消費者の皆様へ」2021年1月29日(取得日2026年8月9日) https://www.egc.meti.go.jp/info/public/pdf/20210129001a.pdf
- 国民生活センター「電力・ガスの契約内容をよく確認しましょう」2021年8月13日公表(取得日2026年8月9日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210813_1.html
- 資源エネルギー庁「電力・ガス自由化 切替え契約時は、ココに注意!」2017年12月12日公開(取得日2026年8月9日) https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/kirikaekeiyaku.html
- 電力・ガス取引監視等委員会 相談窓口ページ(取得日2026年8月16日) https://www.egc.meti.go.jp/general/consult.html
※ 本記事で引用した資源エネルギー庁のページには「掲載内容は公開日時点のものであり、時間経過などにともなって状況が異なっている場合もございます」と注記されています。制度の仕組みは現在も通用する内容ですが、具体的な料金・条件は必ず契約先の最新の案内でご確認ください。

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